「あなたは、どうしたいの?」
以前、あるお母さんと
お子さんの高校進学について、
電話で相談を受けたことがあります。
(以下、白根・・・白、
お母さん・・・母
お子さん・・・Tくん)
白:「、、、それで、お母さんとしては、
Tくんの決めた進路にいけるように応援してあげたい、
ということですか?」
母:「それは、そうなんですけど。
でも、家で全然勉強しないし、
私が『そろそろはじめないとまずいよ』
と言っても、『うるせー、わかってるよ!』
とコミュニケーションにならないんです、、、」
白:「なるほど、、、
お母さんが問題として感じていらっしゃるのは、
Tくんが勉強してくれないことですか?
それとも、コミュニケーションがとれないことですか?」
母:「・・・。
まずは、高校にさえ入ってくれたら、
わたしはそれでいいんです、、、」
白:「高校にさえ入ってくれたら、
Tくんもお母さんも幸せ、、、ですか?」
母:「・・・。
あの子も自分でその高校にいきたい、
って言ったんです。
『それなら、がんばれ』ってなるじゃないですか。
だから、つい言っちゃうんです、、、」
白:「でも、Tくんは聞く耳をもってくれない、、、と?」
母:「はい、、、」
30分ほど電話でお母さんの話をうかがった後、
対面の面談をすることを決めたんですね。
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「何が問題なのか?」をはっきりさせる
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電話での相談の場合に、
ぼくがすぐにアドバイスをすることは
ほとんどありません。
なぜなら、
お母さんが話すことによって
(ご自身の声を聞くことによって)
“問題点”が整理されていくからです。
Tくんのお母さんは、
お話を伺っていると
「うちの子が高校に落ちるのはありえない。
だからしっかり勉強してほしい。」
という切実な想いを感じました。
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お子さん自身の“問題”にすることが大切
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高校の合格不合格
というのは、
本来、いく本人が
自分で考えるべき“問題”なんですね。
ところが、
お母さんの焦りが伝わってしまうと、
お子さんの“問題ではなく、
お母さんの“問題”になってしまいます。
お母さん自身の問題に「すり替わる」ということです。
大事なのは、
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子どもが自分の“問題”に対して、
向き合う勇気を与えること
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3年間高校に通うのは、誰でしょうか?
勉強をする、と決めるのは、誰でしょうか?
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こどもは自分で“納得”して決めたことなら、がんばれる
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お母さんのほうがあせってせかしたり、
子どもの“納得”がないまま決めると、
必ずあとで“責任転嫁”が生まれます。
こども自身に問題が起こったときに、
それを人のせいにする習慣がついてしまう
ということですね。
では、子どもにどう“声かけ”を
していけばいいのか?
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「あなたは、どうしたいの?」
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自分の“問題”として
考えられるようになるためには、
この“声かけ”がかかせません。
「あなたは、これから
どうしていきたいと思っているの?」
「あなたは、どう感じているの?」
この“声かけ”がないまま
無理にやる気を出させようとすると、
短期的にはうまくいくことがあっても、
長期的にはうまくいきません。
時間がかかっても、
問い続けてあげることが必要なんですね。
5年後、10年後に、
自分の足で歩いていけるように、、、