「公教育を選ばない」→「社会に出る」をどのように行なっているか
『「公教育を選ばない(不登校)」から「社会へ出るため」にどのようにステップアップしていっているか」
【親子塾えすてぃむの例】
ぼくは「不登校」という言葉が好きではないので、
「公教育を選ばない」という表現にさせていただくことを
ご了承ください。
長岡市の個別型フリースクール・親子塾えすてぃむは、
起業してから8年が経ちました。
その8年間(以前勤めていた学習塾も含めると20年間)で、
「公教育を選ばない」子と過ごす時間も増えたんですね。
ぼくは「教育」とは、
「教える (teach)」ではなく、
「引き出す(educo)」という考えが好きで、
それを軸にして
親子塾えすてぃむを運営しています。
educoは「education(教育)」の語源のラテン語です。
今回は、えすてぃむに通う「公教育を選ばない」子たちが
どのようにして「社会に出るための準備」をしているかを
ご紹介したいと思います。
あくまでも、親子塾えすてぃむでの事例なので、
唯一の「正しい答え」ではありません。
鵜呑みにせず、参考程度にしていただければ幸いです。
今回は1人1人の事例ではなく、
簡潔なモデルでお伝えしますね。
えすてぃむに来る子の多くは、
公教育(小学校、中学校、高校)に
一度は通ったことがある子ばかりです。
でも、なんらかの理由で、
その中で傷つき、いけなくなり、
家だけが居場所になり、
そこからなかなか動けなくなった、
というパターンが多いです。
ではそこから、
えすてぃむでどのように過ごし、
社会へと旅立っていったのでしょうか。
あえて簡単なプロセスで表してみたいと思います。
① その子自身が「好きなこと」を一緒にやる(ゲーム、プラモデル、勉強、など)
「大切にしていることの共有」
「信頼関係を作る」
② ティータイム
「穏やかに流れる時間」
「対話」
③ 「好きなこと」が一致する子がえすてぃむにいたときに、
イベントを作る
「学び合いクラス」
「趣味の一致」
④ 「好きなこと」を広げるために、世の中を見に行く
「店で買い物」
「体育館・図書館」
⑤ 「好きなこと」で突き抜けていくために、学びを深める
「次の学び(進学)の準備」
「一度社会(学校、バイト)に出てみる」
⑥ 疲れたら、えすてぃむに帰ってくる
「心のベースキャンプ」
この①から⑤のプロセスを時間をかけて、
順番にゆっくりとその子のペースで行っていくのが
親子塾えすてぃむというフリースクールです。
このプロセスは
「こどもが自己肯定感を育みながら社会に出る」
ということに置いて、
成果を出し続けている手法でもあります。
中には、小学、中学、高校に
直接行けるようになった子もいますし、
通信制の学びを使って、
目標への準備をした子もいます。
でも、共通しているのは、
「地に足がついている」ということです。
「とにかく学校に行かなきゃ」とか
「みんなが言うから」ではなく、
例えば、自分の次の目標のために、
「高卒」の資格が取りたい、といった感じです。
資格のために、
高校生のときからバイトをしてお金をためて、
専門学校の入学金に充てた子もいます。
バイトをしたり、
再び学校にいったときに、
また傷つくこともあります。
でも、そんなときにも
家庭とえすてぃむに戻って来れる。
親御さんも学んでいただいたからこそ、
このプロセスが活きてくるですね。
ご参考になれば幸いです。