忘れていた成功体験を思い出しただけで30点アップ

1年前のことです。

「白根さん、、、 
 テストの結果がかなり悪くなっちゃった、、、」

泣きそうな顔で相談してきたのは、高校生のTちゃんでした。

Tちゃんは、中学のころはぼくがよく勉強を見ていた子だったんですね。

高校生になってからは、しばらくいっしょに勉強していませんでした。

カウンセラーになりたい、という想いをもっていて、とってもがんばり屋さんなんですね。

中学のときは、志望校を自分で決めてからはメキメキと成績が上がって、みごと第一志望の高校に合格しました。

T:「白根さん、どうしよう、、、
  テストやばい、、、数学とか赤点(40点以下)だし、、、」

  
白:「そっか、なんかあったの?」

T:「なんか、勉強がうまくいかないんですよ、、、
  空回りしてる、っていうか」

白:「そうだったんだね。
  いまやってる勉強スタイル、聴いてもいい?」

T:「はい、、、」

自信をなくしていたTちゃんから、今やっている勉強方法を聴いていきました。

すると、、、

ぼくといっしょに勉強していたときには自分で成果をつくれていた方法を、見事にやっていなかったことがわかりました ^^;

白:「Tちゃん、その方法じゃ成果でないよ^^;」

T:「えっ、、、?でも、ちゃんと勉強してるのに、、、」

白:「ちょっと思い出してみよっか。
  Tちゃんとぼくがいっしょに勉強してたときって、まず何からやっていたか覚えてる?」

T:「『本当に欲しい目標を決める!』
  でしたよね!覚えてますよ~。やってるんですけど、、、」

白:「うんうん。さすがだね^^で、その後は?」

T:「えっ、その後ですか?
  え~と、テスト範囲を確認して、その範囲のワークをやりはじめるんですよね?」

白:「具体的には、どうやってワークを進めるのかな?」

T:「具体的にですか?うーん、、、基本の1番目から順番に解く、、、かな。」

白:「うんうん。それで?」

T:「え~、、、以上です ^^;」

白:「Tちゃん、すっごくテストの点数上がったじゃん。
  中学のとき。そのときのことをもう一回よーく思い出してみようよ^^」

T:「はい。えーと、確か、けっこうチェックテストをやってた気がする、、、」

白:「そうだったよね!チェックテストはいつやるんだっけ?」

T:「あっ、最初だ!テスト範囲を確認したら、すぐ!」

白:「ピンポーン!チェックテストは、評価をするためじゃなくて、『できるところとできないところの区別をつける』ためにするんだったよねー」

T:「あっ、その後、ワークをやればいいんだ!」

白:「うーん、おしい!
  ワークをやる前に、もう1つやることなかったっけ?」

T:「え、、、たしか、できなかった問題は、けっこう時間かけて見直ししましたよね?」

白:「そうそう!何を使いながら、見直ししたっけ?」

T:「あっ、教科書の『例題』!」

白:「ピンポーン!教科書の例題は、テストに出やすいポイントになってたよねー!」

T:「あ~、そうだった!チェックテスト、次に例題、、、」

白:「で、次が、、、」

T:「次が、、、あっ!例題と似た問題!」

白:「すごいじゃん!思い出してきたね!そうそう!『例題⇒類題⇒さらに練習2,3題』でパターン化するんだったよね?」

T:「すっごい思い出しました^^ あ~、、、なんで、忘れてたんだろ。」

白:「まあ、高校の数学は難易度の高い問題もあるから、パターン化できないのもあるけど、でも、この方法でまずは60点はとれるよねー」

T:「60点!まずはそれで十分です!なんかやる気が出てきましたー!」
  

Tちゃんから、
じっくり話を聴いていくと、
すぐに原因がわかったんですね。

だって、Tちゃんは

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過去にうまくいった方法を
いつの間にか忘れているだけ

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だったからです。

一度は、自分で成果を
つくれるようになったんです。

多少はアレンジする必要があるかもしれませんが、まずは成果が出た方法をもう一度やってみる

それでうまくいったらそのまま同じ方法でやってみればいいし、うまくいかなかったら、他の方法を試せばいいだけの話なんですね。

この手順が自然です^^

この「過去の成功体験」を思い出すように聴いていくコミュニケーションスキルを

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ブライト・スポット・メソッド

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と呼びます。

ブライト・スポットとは、演劇などの舞台でセリフを言っている人にあたる照明の光のことです。

つまり、その人の「過去の成功体験」に“光”をあてて思い出してもらうんですね。

ちなみにTちゃんは、
この後の定期テストで
20点ほどだった数学のテストが
50点まで上がりました。

このブライト・スポット・メソッドはお母さんが子どもに対してもちろん使えます。

お母さんがすぐにできる“声かけ”としては、

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「あの(うまくいった)ときって、
 どうやってたんだっけ?」

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人間の脳みそは“忘れる”ようにできています。

だからこそ、覚えておきたいことは、習慣になるまでやり続けるということが大事です。

紙に書き出したりして、“忘れない”工夫をすることもしてみてもいいかもしれません。

過去の「成功体験」を掘り起こすブライト・スポット・メソッドをお母さんが使いこなせるようになると、こどもの“やる気”は格段に持続します。

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