中学1年生の数学の「土台」について

こどもを“よく見る”とはどういうことでしょうか。

「見ているようで、全然見ていなかった・・・」

親御さんと個別面談をすると、この事実に、多くのお母さんが気づかれて、ショックを受けることがあるようなんですね。

20年以上前になりますが、ぼくは個別指導の学習塾に勤務していました。

そこで、ひとりの女の子の勉強を担当することになったんですね。

Mちゃんという、当時中学1年生の子でした。

Mちゃんは、中学に入ってから数学の成績がなかなか伸びないことをいつも気にしていたんですね。

テストの前はがんばるけど、点数につながらない・・・

自分でもどこでつまづいているかわからない、という状況でした。

ぼくはMちゃんから、小学生のころは算数が好きだったかどうかを聴いてみたんですね。

すると、Mちゃんは、4年生くらいから、計算ミスが増えてきたことを話してくれました。

もしかすると、分数の計算でつまづいているのかもしれない。

そう、ぼくは思いました。

何を隠そう、ぼくが小学生のころ、分数が大の苦手だったからです。

そこで、小学校のまとめの計算テストを試しにやってもらいました。

その結果・・・
「分数・小数・割合」の計算がほとんどできていませんでした。

計算テストが終わるとMちゃんは、

「また、間違えちゃった」

と、まちがえた問題を見て、しょんぼりしていました。

中学校で数学の点数が上がらない原因がわかりました。

中学生になると、まず正の数・負の数の単元を学習します。

整数で基本的な練習が終わると、もちろん、分数や小数の計算も出てきます。

一見まわり道に見えますが、小学生の分数・小数まで戻ることが、Mちゃんが数学を楽しむ一番の近道だと感じたんですね。

そこで、Mちゃんにはストレスにならない程度に、毎回少しずつ分数の計算を教えました。

まちがえた問題はていねいに、類題(似たような問題)をたくさん解くことも大事にしました。

Mちゃんは、問題を解くスピードはゆっくりでしたが、自分で解けると、本当に嬉しそうな表情をしました。

毎日1枚、分数プリントをやり続けて、できる問題がひとつずつ増えていきました。

「できるようになると分数もおもしろいね、せんせい」

Mちゃんは、優しい笑顔で、そう言いました。

次の定期テストで、Mちゃんは、数学が50点から80点まで上がりました。

それ以来、Mちゃんから「数学きらい」と聞いていません。

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