子どもの“真の学ぶ意欲”を育む方法
ぼくは小学3年生のころ、「勉強が嫌い」ということをはっきりと認識しました。
どのクラスよりも多く出される宿題(毎日の勉強、通称「まいべん」)は、罰に近い感覚があったんですね。
もちろん、担任の先生はぼくたち生徒たちのためと思って、大量の宿題を出していたのだと思います。
でも、結果として、ぼくの中に植え付けられたのは、毎日2時間以上勉強しても終わらない拷問のような感覚でした。
「宿題が終わらないと、遊びに行っちゃダメだよ」
母親からのこの言葉で、ぼくはボロボロと涙をこぼしながら宿題に追われていたのをよく覚えています。
学校で友達と遊ぶ約束をしていたこともあって、待たせてしまっている申し訳なさと、宿題をやらされている悔しさとが、溢れてきたからです。
(ちなみに、毎日宿題をやっているぼくの姿を見て、母は「先生のおかげで、いい習慣ができてるね〜」と喜んでいました ^^; )
ぼくは「勉強嫌い」から抜け出して、学ぶことの本当の楽しさを知るのは、それから十数年後です。
このような「罰」「やらされている感」をともなった“学び”は、「外発的動機づけ」と呼ばれています。
また、「宿題が終わったら、ゲームやってもいいよ」も、「ご褒美」という「外発的動機づけ」に入ります。
じつは、この「外発的動機づけ」が習慣になっていると、「子どもの“真の学ぶ意欲”」を育むことは、とても困難になっていくんですね。
では、「子どもの“真の学ぶ意欲”」を育むためには、どのようにしたらいいのでしょうか?
その方法は、「外発的動機づけ」から「内発的動機づけ」への視点の変更です。
「内発的動機づけ」は、自分の内側からやってくる「好奇心」や「有能感」からきます。
本来、小学校に入る前の子どもたちは、この「内発的動機づけ」に溢れているんですね。
「ねえねえ、これつくりた〜い!」
「ぼくにもやらせてやらせて!!」
「きれいな宝石(公園のふつうの石)みつけた!すげぇこれ!!」
このような「好奇心」を誰もがもっています。
「有能感」は、「自転車に自分で乗れるようになった!」とか
「読みたい本がひとりで読めるようになった!」といった「自分でできた!」という感覚ですね。
子どもの“真の学ぶ意欲”を育みたいと本気で思ったら、まずは「子どもの内発的動機づけは何だろう?」と、視点をうつす必要があるんですね。
では、具体的には何をしていけばいいのでしょうか?
まず、今からできることは子どもが自分で納得して“選ぶ瞬間”をなるべくたくさん増やしていくことです。
親御さんとしては、子どもが自分で選べるようにするための“質問”をすることです。
たとえば、学校から帰ってきたときに、
「今日はこれからどんな時間の使い方をする?」
と訊いてみるのもいいかもしれません。
いっしょに夕ご飯の買い物にいくときに
「今日のおかずは何がいい?」
と訊いてみるのもいいと思います。
一度訊いたからには、もちろん子どもが決めたことを尊重してください。
とにかく、子どもが「自分で選んだんだ」という納得感があることが重要です。
(親御さんが意図した答えへ誘導するのも、もちろんNGです)
「やらされている学び」は、“真の学ぶ意欲”にはまったくつながりません。
むしろ、どんどん問題が大きくなっていきます。
でも、「自分で決めた学び」(内発的動機づけからくる学び)は、“真の学ぶ意欲”を育んでいきます。
「今日はこれからどんな時間の使い方をする?」
ぜひ、できるところからお試しください(^^)