言葉をひろう技術【傾聴の基本】について
親子塾えすてぃむでは
親御さんの学び合いクラス(勉強会・交流会)を
積極的に開催してきました。
親御さん向けの対話に関する企画では、
長岡市でもダントツだと思います。
学び合いクラスに
初めて参加された親御さんは、
「聴き上手」の雰囲気に驚かれるようです。
「自分が話しているときには、聴いてもらえる」
その安心感がとても心地よいようなんですね。
そして、
「こんなに『聴き上手』が集まった場ってあるんですね!」
と話してくださいます。
リピートして参加している親御さんですが、
はじめから「聴き上手」だったわけでは
もちろんありません。
「わたしはこどもの話を聴くのが苦手なんです」
という方のほうがむしろ多いです。
でも、「聴く」は
技術(スキル)として
”今から”身につけることが可能だと
親子塾えすてぃむでは考えているんですね。
学び合いクラスでは、
「聴き方」について
詳しく教えることはしていません。
でも、それぞれの親御さんが
えすてぃむの個別セッションで
「聴くトレーニング」をしているので、
初めて参加した方が
「ちゃんと私の話を聴いてもらえる」
という初体験をするようです。
では、個別セッションにおいて、
「聴くトレーニング」とは
どのようなことをしているのか。
えすてぃむでまず共有している知識としては、
「言葉をひろうこと」の大切さをお伝えしています。
多くの場合、
人は、なんとなく話や情報を聞いています。
でも、興味のあることになると、
その感度は素晴らしく上がりますよね。
ボ〜ッとニュースを見ているとき、
急に好きな芸能人の話題になると、
「えっ!」と前のめりになるような、
そんなときってありますよね。
「言葉をひろうこと」は
その状況を”意図的”に作ること。
たとえば、
こどもがテレビゲームの話を
お母さんにしてきたとします。
「スプラ3でね、Nザップが今めっちゃ強いんだよ。
Youtuberのゲーム実況でもそれを言っててね、
今環境のトップなんだって!
ぼくもそれを今練習していてね、だいぶキルが取れるようになったんだよ!すごいでしょ〜!!」
お母さんはちんぷんかんぷんです^^;
でも、「言葉をひろう技術」においては、
話の内容にはフォーカスしません。
それだと、
お母さんが疲れてしまうからです。
「言葉をひろう技術」では、
その人が発した「単語」にフォーカスをあてます。
たとえば、
先ほどのこどもの話では、
話の内容全体では
お母さんは「興味はない」「わけがわからない」
という状況だと思います。
ただ、「スプラ3」という単語は
聞き取れますよね。
それを”ひろい”ます。
そのときは
「『スプラ3』やってるんだね」
と、そのままその「単語」をこどもに返します。
これだけで最初は十分です。
理解する必要はないんです。
話の内容を全部理解することって、
結構難しいですよね。
カンペキに理解するのは「不可能」。
この「前提」って、じつはとても大切です。
あきらめではありません。
「前提(いちばん初めにあること)」です。
「前提」があるからこそ、
そこから加点評価ができるんです。
1つでもこどもが発する「単語」がひろえたらOK、って。
1こでも理解できたことがあればOK、って。
「言葉をひろう技術」はまずはここからです。
ぜひいっしょにゆっくりそこからはじめましょう^^