「勉強しなさい!」ではなく「学びたくなる」環境づくりをしよう

以前、中学生を息子さんに持つ
あるお母さんから
このような相談を受けました。

お母さん:
「テスト前でも勉強しないので、
『勉強しなさい!』って言い続けてたら、
 息子から「じゃあ、母さんは勉強できんのかよ!」と
 怒鳴られたことがあって・・・
 ショックでした・・・」

まず、ぼくはこの息子さんの気持ちがよくわかりました。

まさしく、中学生のころのぼくが
息子さんそのものだったからです。

そして、お母さんとの個別セッションを
何百としている現在では、
お母さんの痛みもわかります。

「勉強しなさい!」
という言葉は、
こどものためを思って言っているつもりでも、
じつは自分(親御さん自身)を守るために
使っている言葉なんですよね。

それはなぜか。

「勉強しなさい!」
と、思ったときに感じたことを
親御さんといっしょに書き出すことをしてみたんですね。

そこで出てきた言葉
・すべきことをしないからイライラする
・良い高校に入れないのではないか、と焦る
・宿題をしないと、学校から私(親)に何か言われると思って、
 気持ちが落ち込む
・家でダラダラとゲームをしている姿を見続けると、
 モヤモヤしてストレスがたまる

いかがでしょうか?

自分が感じたことに焦点をあてると、
そのほとんどが「自分を守るため」に
「勉強しなさい!」と言っていることがわかります。

お子さん(ぼくたちもそうでした)が
中学生の時期って、
「何のために勉強するのか?」
「これからどう生きていくのか?」
という
漠然とした不安が
湧き上がってくる時期なんですよね。

だから、
お子さんも
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」
という悩みを多かれ少なかれ
抱えていることになります。

でも、
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」
という問いは、
「正しい答え」のない問いです。

100人いれば、100通りの考えがあるものです。

親御さん自身も
もしかしたらじっくり考えたことが
ないかもしれません。

だからこそ、
「勉強しなさい!」は、
こどもの心にまったく響かないんですよね。

じゃあどうしたらいいのか?

親子塾えすてぃむでの
一つの納得解(正しい答えではありません)は
あります。

それは、
「こどもが”目を輝かせているものごと”に
 親が関心を寄せて、話を聴く。
 そして、”目を輝かせているものごと”が活きる
 環境を作る」
です。

たとえば、
『マインクラフト』というテレビゲームが
好きな子がいました。

お母さんは、マインクラフトのプレイ画面を見て、
難しそうで最初はまったく興味が持てませんでした。

でも、興味が持てなくても、
「こどもがマインクラフトのどんなところに夢中になっているか?」
を知ろうと思って、
試しに一回やってみることにしました。

ところが、やってみたけれど
やっぱりむずかしくて、
「やりたい!」とまでは思わなかったそうです。

ただ、その後、
こどものお母さんに対する反応が
劇的に変わってきました。

それまでまったくコミュニケーションが取れなかったのが、
マインクラフトの話をたくさん解説してくれるようになったそうです。

お母さんとお子さんで書店に行ったときには、
マインクラフトの建築ブックなどを
購入していっしょに読むようにしたそうです。

それだけでなく、
筆箱もバッグにつけるキーホルダーも
マインクラフトのキャラクターのものにしたりして、
お子さんの研究欲はさらに高まりました。

ここから今まで行かなかった学校(公教育)にも
いくようになっていくのですが、
これは脚色のない実話です。

『「勉強しなさい!」ではなく、
「学びたくなる」環境づくりをすること』

これはほんの一例ですが、
何よりも大切なことは、
お子さんとお母さんとで
「対話」が起こりやすい環境になった、
ということだと思います。

「対話」は思っている以上に
劇的に「学び」を促進します。

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