不登校だった子が、学校に行けるようになった

今日の朝、ふと
Sくんのことを思い出しました。

当時中学3年生だったSくんは、
体はとっても大きいんですが、
気持ちが優しくて、
妹想いの中学生の男の子です。

ただ、勉強に関しては無気力で、
成績も下がっていたんですね。

あるとき、
Sくんのお父さんと
面談をしました。

2時間近く話したでしょうか、、、

お父さんもかなり
悩んでいらっしゃったんですね。

「私が厳しくしすぎて、
私を見るとビクビクしているのがわかるんです。
学校に行くのも
嫌がるようになってしまって、、、
勉強も全然わからくなったようで、
本人も“投げやり”になってるんです。
どうしたらいいか、、、」

お父さんの話を聴いていて、
お父さんがこども想いで
なんとか力になりたいと思っていることが
伝わってきました。

わが子が高校に行けるように、、、
と、切実な想いも
痛いほど感じたんですね。

(以下、白根・・・白、お父さん・・・父)

白:「・・・いまSくんは、
学校に行きたくないくらい
勉強が嫌いになってしまった、、、
ということでしょうか?」

父:「そうです、、、
そして、その原因は、私にあります。
私が『何やってんだ!やることはちゃんとやれ!』
と、いつも怒鳴ってしまって、、、
息子は、私と話すのも怖がっています。」

白:「Sくんは、お父さんを怖がっている、、、
お父さんは、良かれと思って
なさっていたんですよね。」

(涙を流しながら)

父:「私、じつは高校受験を失敗しているんです。
あいつにはそうなってほしくなくて、、、
つい、厳しく言ってしまって、、、
でも、学校に行けない日が続いて、
私が追いつめてしまったのかと思うと、、、」

白:「そうだったんですね・・・。
お父さんとしては、
これからSくんにどうなってほしいですか?」

父:「いまは、元気に学校にさえ
行ってくれたらそれでいいです。
私にも、変えなくてはいけない部分があるので、、、
うちの家内も言ってましたが、
あいつは白根さんを信頼してて、
勉強は嫌でも、塾はやめたくない、って。
どうかよろしくお願いします、、、」

白:「元気に学校に行ってほしいんですね。
わかりました。
大丈夫です、Sくんは
たくさんの“才能”がありますから。
ひとつ確認したいんですが、
もしSくんが『この高校に行きたい』
と自分から話しはじめたら、
応援していただけますか?」

父:「はい。もちろんです。
よろしくお願いします、、、」

白:「こちらこそ。
この面談でおしまいではなく、
お忙しいとは思いますが、
またSくんの状況を共有させてください。
よろしくお願いします。」

お父さんから
Sくんの置かれた状況を
くわしく聴くことができたおかげで、
ぼくはSくんへの
アプローチが見えてきました。

そして、Sくんとは、
学校の勉強ではなく、
“対話”をたくさんしていくことだけに
焦点をあてました。

ぼくはSくんの
“才能”について毎回伝え、
Sくんからは、
いま一番熱中していることを
じっくりと聴きました。

Sくんは、
学校の勉強へのエネルギーは
失っていましたが、

「高校へはいきたい」
という気持ちと、
「話を聴いてもらいたい」
という気持ちがありました。

Sくんは毎回、
忘れることなく、
嫌がることなく、
塾に来ました。

回を重ねるごとに、
Sくんが少しずつ
表情が明るくなってきたのを
ぼくは感じました。

気づけば、、、
「英語をがんばりたいなぁ」
と話すようになり、
単語カードを
いっしょにつくって
楽しく話しながら
勉強できるようになっていたんですね。

お父さんも“成長”しようと思って、
“接し方”や“声かけ”を
変えてくださいました。

現在は、Sくんは、
元気に高校に通っていて、
友達にも恵まれているそうです。

———————————

人間関係の“悩み”が
人間の“悩み”の99%を占める

———————————

これは、コミュニケーション学で
よく述べられていることです。

想像してみてください。

どんなにきつい仕事でも、
いっしょに働く仲間がすばらしいと
長く仕事を続けられる、、、

どんなに素敵な職場環境でも、
ストレスに思う人がいると
辞めたくなってしまう、、、

お母さんにも
こんな状況はなかったでしょうか?

こどもにももちろん
同じことが当てはまるんですね。

———————————–

勉強よりもまず大切なことは、
両親や周りの人との良質な関係

———————————–

このことを知っておく必要があります。

お子さんが
もしも今、勉強嫌いだとしたら、
勉強以外の部分でも
お子さんを観察し、
話を聴いてあげる
ほうが
実は最短の解決策になる場合が多いです。

というか、
人間関係の悩みがあるときって、
勉強に意識を集中するほうが
難しいはずなんですね。

———————————

勉強は、本当は楽しいもの

———————————

もしこどもが
いま勉強“嫌い”であっても、
心配する必要はありません。

勉強を嫌いにさせている
“原因”を取り除くことができれば、
自然と勉強“好き”になっていきますから(^^)

Follow me!